『餓狼 MARK OF THE WOLVES』(がろう マーク オブ ザ ウルヴス)は1999年にSNKが発売した2D対戦型格闘ゲーム。『リアルバウト餓狼伝説』から10年後の世界が舞台となっており、タイトルデモには、『リアルバウト餓狼伝説』のテリー・ボガードのエピローグの1シーンが再利用されている部分がある。キャラクターイラストはTONKOが担当した。MVS(1999年11月26日登場)の容量は688メガ。
約束の橋 チーム 赤ずきん リコニー エジンバラ さくもん コモドド モスリン べにえび エンジン オーリ センデ ジーピー シーアイ マンサク ジュエリー トニック チューナー マンデート シャン だいろ 一千一秒 大人の生活 スキーム エイハラ スラロー ロータリー ティズム シンボル オヤマ ファシリ センタ テラコッタ センシ ツール モチーフ ギョリュ モジュ 中仙道 ひわき ジャッカル ケミストリー ローズウッド トークン 一字千金 地上の星 キャップ リーフ マナスル オーソラ
2001年9月27日にドリームキャスト版が発売され、これがSNKの最後のソフトとなった。また、SNKプレイモアから2005年6月30日に『ネオジオオンラインコレクション』第一弾として、CEROレーティング12歳以上対象のプレイステーション2版が発売された(マルチマッチングBB対応)。また、ネオジオスティック2(餓狼MOWバージョン)付きの限定版も発売された。
『餓狼伝説』シリーズの顔であったギース・ハワードが死亡した『リアルバウト餓狼伝説』以降、ストーリーの大きな進展はなくゲームとしても『リアルバウト餓狼伝説』のマイナーチェンジを連発、また『ザ・キング・オブ・ファイターズ』(KOF)シリーズの人気から『餓狼』離れが進んでいく中、完全新作として本作を発表した。舞台を『リアルバウト餓狼伝説』の10年後(2005年)に置き、主人公をギース・ハワードの息子であるロック・ハワードに、テリー・ボガード以外のキャラクターを新キャラクターに変更した(ただしテリーは1971年3月15日生まれで『MOW』時に35歳の設定を考えると、本来なら2006年3月中旬?2007年3月上旬頃でなければならない為、食い違いが生じている)。このような「新世代」という基本設定や、ゲームとしての内容面でもブロッキングの簡易・応用版であるジャストディフェンスや滑らかなアニメーションなど『ストリートファイターIII』を意識した点が散見される。
しかし、「新キャラクターが餓狼らしくない」「アニメ調のグラフィック」「餓狼伝説で最も特徴的な要素であったラインシステムの撤廃」などの理由で、ファンから「餓狼伝説ではないもの」と敬遠されてしまった印象が強い。ただ、本作は、『餓狼伝説スペシャル』で見ることができた「思い思いの連携による攻めの楽しさ」をハイレベルに昇華しており、通常技をキャンセルしてのフェイント技、ブレーキング、全体的に発生の早い超必殺技を駆使して激しい攻めを展開できるのが大きな特徴。ブロッキングの導入によってストイックな読み合いを提示した『ストリートファイターIII』とは対極のゲームデザインとなっている。従来から『ストリートファイター』シリーズは距離を置いた読み合いを重視し、対極として『餓狼伝説』シリーズやそこから派生した『KOF』シリーズは相手に近づき攻める事を重視する傾向にあった。この視点で見れば、本作が新世代のSNK格闘の形であったという見方は難しくない。
システム
1レバー+4ボタン(A:弱パンチ、B:弱キック、C:強パンチ、D:強キック)で操作。
ラインシステム
『餓狼伝説』シリーズの特徴だった複ラインシステムが削除され、1ラインとなった。
ジャストディフェンス
攻撃を受ける直前にガードすると硬直が少なくなり、体力が若干回復する(回復量は、その時に受けた相手の技の攻撃力によって変化する)。『ストIII』のブロッキングと違いその隙に反撃することは難しいが、ジャストディフェンス中にコマンド入力することでジャストディフェンスをキャンセルして必殺技で反撃できる「ガードキャンセル」がある(逆を言うと、ガードキャンセルはジャストディフェンス成功時にしかできない)。また、ジャストディフェンスに成功することで、蓄積していたガードクラッシュ値を減らすこともできる。
T.O.P.
体力ゲージの3つに区切られたうちの一部分をT.O.P.エリアとして事前に選択し、残量がT.O.P.エリア内の間、以下の特典が発生する。
攻撃力が上がる。
「T.O.P.アタック」と呼ばれる技が使用可能になる。
体力が徐々に回復する。
対CPU戦時、T.O.P.状態中は技を相手に当てた時に入る得点が二倍になる。
家庭用では範囲を狭くする(=体力ゲージを5つや15に分けてその中から選択する)代わりに攻撃力上昇効果を上げることも可能。また、下記のようにアーケード版では設定によっては対戦で勝利を重ね続けると、挑戦者側に有利な状態(挑発でパワーゲージを溜めることができたり、パワーゲージが最初から溜まっている状態で試合に突入するなど)が順次重ね掛けされ、最終的には挑戦者側が常時T.O.P.状態になるという、挑戦者が有利になるハンディキャップシステムが取られている。
避け攻撃
上段避け攻撃と下段避け攻撃があり、名前に対応した技はその部分の食らい判定が無くなる。上段避け攻撃は旧シリーズの避け攻撃を受け継いだもので、対して下段避け攻撃は大部分のキャラクターのものが『ストIII』の「リープアタック」のような、小さく飛びながらの攻撃になっている。
ブレーキング
特定の必殺技のモーションを中断して隙を減らす。対応技は隙の大きい対空系の必殺技が多い。
フェイント
必殺技を出すフリをする。中級者向けのテクニックとして、通常技をフェイントでキャンセル、更にフェイントを通常技やダッシュでキャンセル、という連携ができる。
キャンセル
本作では、『KOF』や『餓狼伝説』ではほぼ基本となっていた足払い(しゃがみ強キック)がキャンセルできない。逆にガード時限定のみで遠距離強キックがキャンセルできるなど、固めを意識しつつ技の分業がされている。
特殊挑発
お遊びの要素として、対戦相手をKOしてから勝利ポーズに入るまでにレバー前か後と同時にスタートボタンを押すと専用の挑発動作が出る。
連勝ハンディキャップ
このゲームでは対人戦で10連勝するとハンディキャップを背負うこととなる。また10連勝ごとにハンデの負荷は増えるだけなく、重ね掛けされていく。内容は以下の通りだが、基板の設定によって無効にすることもできる。
10連勝・・・チャンピオン側の挑発で相手のゲージが溜まる(挑発の持続に応じて増加)
20連勝・・・挑戦者側が毎ラウンド、パワーゲージがMAXでスタート
30連勝・・・挑戦者側のパワーゲージが自動で回復する
40連勝・・・挑戦者側のパワーゲージ増加量が倍になる
50連勝・・・挑戦者側が常にT.O.P.状態になる
キャラクター
テリー・ボガード以外、全員新規のキャラクターである。本作のキャラクターは『KOF』シリーズなどの外部作品にもたびたび登場している。
ロック・ハワード[Rock Howard](声:竹本英史)
ギース・ハワードの忘れ形見。テリーが育てたため、ギースの技とテリーの技を使う事ができる。母を見捨てたギースの事は嫌っている。
ギースの死から10年後、ロックにキング・オブ・ファイターズの招待状が届く。そこには「優勝すれば自分の母について『ある事』を教える」と書いてあった。ロックはキング・オブ・ファイターズに出場することを決める。
テリー・ボガード[Terry Bogard](声:橋本さとし)
ギース亡き後の大会の裏を探るべく、キング・オブ・ファイターズに参加する。
『餓狼伝説』シリーズの登場人物の中で唯一の皆勤賞。
キム・ドンファン[Kim Dong hwan](声:橋本潤)
キム・カッファンの長男。真面目な父親と違い、修行をサボってナンパに行くことが趣味。そのたびに父カッファンや弟ジェイフンに怒られているが、実力は全盛期の父を凌ぐとも言われている。弟とは違い、自己流にアレンジした技を使い、必殺技には雷を伴う。
キム・ジェイフン[Kim Jae hoon](声:浅川博貴)
キム・カッファンの次男。父に似て真面目に練習をしており、悪を許さない正義漢。父の技を引き継いでいる事からも真面目さが伺える。また、必殺技には炎を伴う。
双葉ほたる[Hotaru Futaba](声:堀江ゆき)
テンのイトカツとともに行方不明の父と兄を探す中国拳法使いの少女。兄に似た人物が大会に参加しているという噂を聞き、飛び入り参加した。
牙刀[Gato](声:石井康嗣)
母を死に追いやった父を倒すべく技を磨く、非情なる中国拳法使い。大会の優勝は二次的な目的に過ぎず、真の目的は究極の拳法を完成させる事にある。
実はほたるの兄(ただし、牙刀本人はその事実を頑なに否定している)。
マルコ・ロドリゲス/クシュヌード・バット[Marco Rodriguez / Khushnood Butt](声:花田光)
極限流空手道場に道場破りとして挑みリョウ・サカザキに大敗したあと、極限流空手の奥深さを知り、その強さに憧れ入門。現在は師範クラス。保守的なモラリストだがどこか間の抜けた発言が目立つ。グリフォンマスクを珍しい鳥と勘違いして彼の怒りを買う。
海外版では実在のマルコ・ロドリゲスとの混同を避けるためか「Khushnood Butt」という名前に変更されている。
北斗丸[Hokutomaru](声:竹内順子)
不知火流忍術を使う元気な少年。アンディ・ボガードの弟子。
B.ジェニー[B. Jenet](声:斉藤レイ)
大会主催者のお宝を手に入れようとする義賊集団の海賊リーリンナイツの艦長。実はイギリスの名家バーン家の令嬢で、本名はジェニー・バーン。作中の勝利メッセージで、テリーが初恋の相手だということが判明。
フリーマン[Freeman](声:や乃えいじ)
闘いに生き、悦楽を求める自由な男。戦いの相手を自身で殺すことを「召される」と呼んで「ククク」と笑う危険な男。ケビンの親友を殺した張本人。赤く染めた長髪で表情は覗えない。
持ち技のネーミングに『KOF』のマチュア・バイスと共通するものがある。また、一部の技の演出が『サムライスピリッツ』シリーズの首斬り破沙羅と酷似している。
グリフォンマスク/ティゾック(チソク)[The Griffon / Tizoc](声:花田光)
子供たちのヒーローとして活躍する正義の覆面レスラー。ある男に敗北するまでは無敵を誇っていた。
プロレスラーらしく、多数の投げ技を持つ。「T.O.P.アタック」の「グリドロスーパーキック」は、グラントと並んでガードクラッシュ値が最も高い技。レバー2回転コマンドの投げ技「ビッグフォールグリフォン」は全キャラ中屈指の威力。
海外版では「Tizoc」(アステカの王に由来)という名前で登場している。
ケビン・ライアン[Kevin Rian](声:北沢洋)
SWATに属する陽気な警察官。親友を殺した男を捜すため、親友の息子マーキー(声:竹内順子)と一緒に旅をする。テリーのことを、親友を殺した犯人と勘違いして戦いを挑むなど、早とちりな一面も。ブルー・マリーの親戚でもある。
持ち技に打撃で爆発を起こすものが多く、『KOF』のラルフを彷彿とさせる。ブレーキング対応技の「ヘルトラップ」を活用することで、相手を簡単に固めることができる。この技や、「(超必殺技版)ラッキーストライク」は、相手を浮かせて追撃することもできる。「ガトリングフリーザー」は、威力こそ低いが技の性能や使いやすさは群を抜いている。
ボスキャラクター
グラント[Grant](声:北沢洋)
暗黒空手の使い手。親友であるカインの出世を妬んだ組織の幹部に銃撃され、その弾丸が摘出されずに体の中にある。カインを守るため、残り少ない命を授けて戦いに赴く。本名は「アベル・キャメロン」。
カイン・R・ハインライン[Kain R. Heinlein](声:橋本潤)
ギースの妻の弟(ロックの叔父)にあたる青年で、暗黒真空拳の使い手。ロックに母の秘密を教えるという手紙を送った。
対CPU戦にてグラント戦前に条件を満たすと、グラント撃破後に彼が最後の相手として登場する。